記事概要
出産時にかかる費用で最も高いもの、それは出産時の入院で病院に支払う費用です。この費用は加入している健康保険から出産一時金が支払われることで負担は大きく軽減しますが、それでも手痛い出費になります。今回は、病院に支払う一般的な費用の内訳と、オグロの実例を紹介したいと思います。
この記事を見て、出費のサイズ感などを把握していただければと思います。
また、妊娠から出産までに支援を受けられる助成金や、出産後1カ月までにかかった費用の実例を紹介している記事がありますので合わせてご覧いただければと思います。
正常分娩での出産時にかかる一般的な費用
厚生労働省管轄の元、出産費用の見える化活動が行われています。(見える化活動資料リンク)
2024年4月現在では、妊婦の方が出産にかかわる費用やサービスを比較し適切な情報が得られるようにウェブサイトを開設準備中となります。
出産時にかかる費用の情報がどんどん明らかになり、透明性のある病院選択ができるようになるとよいですね。
2023年9月公開の厚生労働省が公開した出産費用の見える化資料(2023年の見える化結果リンク)によると、出産時にかかる費用は「水道光熱費や消耗品の高騰」、「医療機器の高騰」、「人件費の増加」等の理由から年々増加しています。
この情報が公開している、2022年のデータによる正常分娩にかかる出産費用の状況は以下となります。
公立病院、私的病院、診療所等で料金は変動しますが、記載しているデータは全施設の平均となります。
費目 | 金額 (円) | 備考 |
入院料 | 118,326 | 妊婦に係る室料、食事料。保険診療に係る入院基本料及び入院時食事療養費はこれに含まれない。 |
分娩料 | 282,424 | 正常分娩(分娩が療養の給付の対象とならなかった場合)時の、医師・助産師の技術料及び分娩時の看護・介助料。 |
新生児管理保育料 | 50,052 | 新生児に係る管理・保育に要した費用をいい、新生児に係る検査・薬剤・処置・手当に要した相当費用を含める。 新生児について療養の給付の対象となった場合、これに含まれない。 |
検査・薬剤料 | 14,739 | 妊婦(産褥期も含む)に係る検査・薬剤料をいう。療養の給付の対象となった場合、これに含まれない。 |
処置・手当料 | 16,753 | 妊婦(産褥期も含む)に係る医学的処置や乳房ケア、産褥指導等の手当に要した費用をいう。療養の給付の対象となっ た場合、これに含まれない。 |
室料差額 | 17,441 | 妊婦の選定により、差額が必要な室に入院した場合の当該差額。 |
産科医療補償制度 | 11,820 | 産科医療補償制度の掛金相当費用をいう。 |
その他 | 34,242 | 文書料、材料費及び医療外費用(お祝い膳等)等、上記の8項目に含まれない費用をいう。 |
妊婦合計負担額 | 545,797 | 直接支払制度の利用の有無にかかわらず、実際に被保険者等又はその被扶養者に請求することとなる実費をいう。 上記項目の合計に一致する。 |
施設ごとの比較では、公的病院の出産費用が低く、私的病院の出産費用が高くなっています。
この平均から見ても健康保険から支援される一時金ですべて賄うことは難しいことがわかります。
また、出産費用に関して都道府県で比較すると東京都が最も高く、鳥取県が最も低いとのことです。
費用の実例
オグロの第一子出産時の内訳を実例として紹介します。出産時の状況により金額は増減するため、オグロの場合の出産条件を記載します。
- 東京都立の総合病院で出産
- 陣痛促進剤を使用し普通分娩で出産
- 入院時に夜間診療を受診
- 陣痛開始から出産まで長く、病院で1泊したため入院は6泊となり1泊多い
(通常は、出産当日を0日として5日目に退院するため5泊) - 個室を利用
第一子出産時の費用実例は以下となります。
保険適用が〇の費目は保険適用後の支払い金額を記載しています。
費目 | 保険適用 | 金額 (円) | 備考 |
入院料 | 〇 | 280,310 | 入院料、初再診・基本料、食事療養費負担金の合計 |
分娩料 | × | 167,090 | 分娩料、介助料、貸与品の合計 |
新生児管理保育料 | × | 42,000 | – |
検査・薬剤料 | 〇 | 30,260 | 検査料、投薬、注射料の合計 |
処置・手当料 | 〇 | 30,090 | 処置、手術、医学管理料の合計 |
室料差額 | × | 49,140 | 個室利用料。出産後の5泊を個室利用 |
産科医療補償制度 | × | 12,000 | – |
その他 | × | 15,800 | 新生児聴覚検査 |
新生児の受診料 | 〇 | 15,490 | 新生児初診料、新生児スクリーニング検査、内服薬、処方箋の合計 |
妊婦合計負担額 | – | 642,180 | – |
入院時に夜間診療を受けたことと1泊多く入院しているため入院料が平均より高く、陣痛促進剤を使用したため検査・薬剤料や処置手当料が高くなています。また、個室を使用したため室料差額も高くなっています。
こうしてみると、公的病院で出産したにも関わらず、高くついたないという印象。
ただし、妻が陣痛が長引いて苦しんでいる姿を見ていたこと見ると促進剤を使ってよかったし、産まれたての赤ちゃんはひっきりなしに泣くことからほかの入院患者への心苦しさを考えると個室料がもったいないとは思いませんでした。
ただ、入院時の夜間診療で8万円ほどの請求明細を見たときは憤りを感じます。
出産はお金がかかりますのでご参考にしていいただければ幸いです。
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