出産時の代表的な流れ
出産前はいつ何が起きるか分からず不安になる方も多いとかと思います。今回の記事では出産前にどのようなことが起こるのかご紹介させていただき、少しでも出産前の準備に役立てていただければと思います。
主な出産時の流れは以下となります
- 出産前兆候
- おしるし
- 破水
- 陣痛
- 分娩
出産前兆候
出産前に来ると妊婦は以下の兆候が出ると言われています。これらの兆候は必ずしも起こるわけではありませんが、兆候が現れたら男性の皆さんも出産が近いと考え心の準備をしておくとよいでしょう。
- おなかがはる
子宮の収縮が活発になり、おなかが張りやすくなります。 - 尿がちかくなる
胎児が子宮の出口に向かって徐々に下がり始めます。子宮が下がってくることで、母体の膀胱が圧迫され頻尿や尿漏れを起こしやすくなります - 腰や背中が痛み、押される感じがする
おなかが大きくなると腰や背中でバランスを取ろうとするため負担がかかり、腰や背中に痛みが出る場合があります - おりものが増える
臨月になると身体が出産の準備に入ることからホルモンの分泌が多くなり、おりものが増える場合があります - 胎動が少なくなる
赤ちゃんが出産のため降りてくることで骨盤にはまる姿勢となるため胎動が少なくなります
おしるし
おしるしは子宮口が開こうとした際に、卵膜の一部が剥がれて起こる少量の出血です。おりものに血が混じったようなものだったり、トイレで拭くと付く程度だったり個人差があります。一度きりではなく、赤ちゃんが生まれるまで出ることもあります。
人によってはおしるしが出ず破水や陣痛が起こる場合もあります。
破水
妊娠中、赤ちゃんは卵膜に包まれて羊水の中に浮いた状態です。破水とは、分娩が始まった時や分娩中、または分娩の開始前に、赤ちゃんを包んでいる卵膜が破れて羊水が外に流れ出ることです。
破水が起きた場合、赤ちゃんに細菌が入ってしまう可能性があるためお風呂に入ることは避けてください。また、破水が発生した場合すぐに病院へ連絡しましょう。
テレビのように勢いよく破水することは少なく、少しづつ出てくる場合、出産まで破水しない場合など様々です。
陣痛
陣痛とは、赤ちゃんを外へ押し出すために繰り返される子宮の収縮です。子宮が縮むとき、おなかの張りや痛みが起こります。陣痛には、大きく分けて3つあります。
前駆(ぜんく)陣痛
前駆陣痛とは、出産に当たり実際に感じられる陣痛とは異なり、妊娠中期から後期にかけておこる、分娩に至るほどではない陣痛に類似した痛みのことです。前駆陣痛は、子宮の筋肉が収縮することを原因として引き起こされ、お腹の張りや痛みとして自覚されます。正常の妊娠経過でも生じる反応であるため過度に心配をする必要はありません。
本陣痛
おなかの張りや痛みが規則的に起こり痛みが引くことを繰り返して、だんだん強くなるようであれば本陣痛です。痛みの始まりから次の痛みの始まりまでの陣痛間隔が数時間かけて短くなります。陣痛の間隔が10分おきになったら、病院に連絡して指示をもらいましょう。
妊婦は陣痛で痛みがありますが、力を入れると赤ちゃんが産道を通れなくなるので力まずリラックスして過ごしましょう。
男性の皆さんは、陣痛が来ても焦らず妊婦をリラックスさせることに努めてください。出産は陣痛が始まってからも長い戦いになりますので体力温存に努めましょう。
後陣痛
出産後、大きくなった子宮は元に戻ろうとして急激に収縮します。このときに起こる痛みが後陣痛です。子宮は、産後12時間が経つとおへその高さまで急速に小さくなるため産後の数日は後陣痛も強くなります。
分娩
陣痛間隔が短くなり、子宮口が十分開いたらいよいよ赤ちゃんを取り出す分娩になります。このタイミングから分娩台に上り、いきむことで赤ちゃんが産道を降りていき出産となります。
赤ちゃんを出産後、妊婦はさらにいきむことで胎盤が排出されます。
今回は自然分娩を紹介しましたが、お腹を切開して赤ちゃんを取り出す帝王切開もあります。
男性ができること
実際に出産するのは妊婦になりますので、男性が痛みを代わることはできません。しかし、出産中の妊婦に寄り添うことで出産をサポートすることができます。以下に男性が出産時にサポートできることを紹介します。
男性にできること
- 腰や背中のマッサージ
- 深呼吸やリラックスさせるための声掛け
- 水分補給や食事の介助
- トイレなど移動時の介助
- 分娩時の呼吸のリード
- 手を握る
- 汗を拭く、うちわであおぐ
出産は1人の赤ちゃんに対し一度きりの大イベントです。出産をサポートすることで後に後悔の無いようにサポートしてください。
第一子誕生時の実例紹介
具体的に2024年3月に妻が出産した当日の流れを男性目線で振り返ります。
私たちの場合は、陣痛が始まり入院してから出産まで42時間の長丁場となりました。
3/6
23:30 おしるしがくる
予定日が近づいてくる中で、「いつ産まれるんだろうね」なんて会話をしてました。就寝後、急に妻からおしるし来たと起こされました。とくにやることもないので再度就寝。
とうとう来たか。でも時間はかかると聞いているからとりあえず寝ておこう。
3/7
1:00 陣痛開始
妻から再度起こされて、陣痛が始まったことを知る。まだまだここからが長い。男性ができることはあまりなく、パパママ教室でも体力は温存しておくようにとのアドバイスから再度就寝。
3:00 陣痛が10分間隔になる
妻から起こされ、陣痛が10分間隔となると知らされる。
一般的に10分間隔となった時、病院へ連絡してその後の指示を仰ぐこととなっています。私たちも病院へ一報を入れました。夜間かつ初産とのこともありまだ出産までは時間がありとして病院側からは、病院へ来るかリラックスしやすいのであれば自宅待機どちらか良いほうを進められましたので私たちは自宅待機を選択しました。
妻が陣痛で苦しんでいるので、私のほうで準備していた入院セットを取り出しすぐに出かけられるように準備、朝ごはんを作り腹ごしらえをしました。
10分間隔で電話しろとのことであったが、じゃあいつ病院行くんだ!?
行き時を見失ったな。。。
5:00 病院へ移動
妻の陣痛間隔が短くなり心配になったので病院に再度連絡。こちら側の心配もあり病院側と相談の末に病院へ行くことにしました。
うちの場合は病院まで歩いて5分ほどの距離であり、まだ強い陣痛もなく歩ける状態であったため、妻と一緒に歩いて病院へ向かいました。
ドラマのように急に「産まれる!!」とはならないもんなのね。
5:40 入院
病院到着後陣痛室で検査を受けます。子宮口が2cmほど開いているためこのまま入院し出産することになりました。入院手続きをしたあと、入院セットを届けるために自宅と病院を往復しました。
男性はできることがないため一旦帰宅。出産に立ち会うため、会社へ有給取得の連絡と家事を実施。
10:00 再度病院へ
様子を見るため再度病院へ向かいました。
陣痛間隔が伸びたことで出産まで時間がかかると判断され、妻は陣痛室から普通病棟へ移っていました。妻は卵巣嚢腫もあったため、担当医と方針を相談するため病室で待機となりました。
おいおい、これからどうなるんだ。はやく産まれて来てほしい。
先行き見えなくて不安だな。。。
13:00 担当医と今後の方針相談
担当医と今後の進め方を相談し出産までの今日明日の話、卵巣嚢腫の手術をどうするか相談をしました。担当医と妻と相談し、この状態で待機することも精神的に不安が続くため、以下の方針としました。
- 本日中(3/7)は出産が進むか自然観察。進んだ場合はそのまま出産
- 進まない場合は3/8の朝から陣痛促進剤を使い、3/8中での出産を目指す
- 赤ちゃんに異常が見られない場合は普通分娩とし卵巣嚢腫は後日手術。赤ちゃんに異常が出た場合は帝王切開で出産し卵巣嚢腫も一緒に手術
出産が進んで動きがあるまで自宅待機となったので帰宅。
男性はこの間にできることはあまりないと理解しつつも、いつ連絡が来るかと思うとソワソワしてあまり寝られませんでした。
3/8
8:00 陣痛促進剤使用
昨晩で陣痛が進まなかったため妻に陣痛促進剤を使い陣痛を誘発することになりました。妻が陣痛室へ移動し投与開始。安全を考慮して徐々に投与量を増やしていき様子を見ながら陣痛を誘発させます。
担当医からは夜くらいには産まれるといいですねとのこと。
10:00 分娩室に到着し陣痛を見守り始める
陣痛が徐々に強くなり間隔も短くなっていきます。妻はこの時が一番辛そうでした。陣痛終盤は痛みに耐えきれず帝王切開で出産させてくれと頼んでいました。いつ終わるかわからない痛みとの戦いで本当に辛そうでした。
その日は出産する人も多いのか、陣痛室は入れ替わりで妊婦が出入りしました。なかなか産まれない私たちは何人も妊婦を見送ります。病院側も忙しかったこともあり、割と放置気味で時間が経ちました。
定期的に診察を受け子宮口が徐々に開いていきなんとか今日中には産まれそうとのこと。
横で見守りつつ、背中をさすったり水を飲ませたりしましたが、痛みを代わってあげられるわけでもなくもどかしい気持ちでした。
横にいるだけで心強いものよ。
妻が言うに、横で見守ってくれるだけで心強くなるそうです。これから立ち会う男性の皆様もできることは少ないですがぜひそばにいていただければと思います。
19:30 分娩台へ移動し出産開始
医師の診察を受け子宮口が10cmほど開いたので分娩台へ移動します。促進剤を打ち始めてからここまで11時間30分。長丁場となりましたがとうとうこの時がきました。平均するといきみ始めてから2時間程度で産まれるとのことです。
分娩台でいきみはじめる妻。妻曰く陣痛を我慢するよりいきんだほうが痛くないとのことです。
私も分娩台の近くで立ち会ったのですが、妻がいきむ瞬間は私の手にも力が入ります。早く産まれて来てほしいと同時に、元気に産まれるのか不安でいっぱいでした。
「もうすぐ出るよ」と助産師が声をかけると緊張が走ります。
21:15 第一子誕生
妻がいきむなか、助産師が赤ちゃんを取り上げました。ヌルっと赤ちゃんが出てきます。
出てきた瞬間の赤ちゃんは紫色。助産師が処置していると赤ちゃんから無事に鳴き声が聞こえ呼吸が始まります。みるみる紫色から血色が良くなり赤く変わっていきます。
産まれた瞬間の紫色の赤ちゃんを見た瞬間は不安でいっぱいでした。産まれたらすぐ泣いて呼吸するものだと思っていたし。赤ちゃんが泣きだして血色が良くなった時に初めて緊張がほどけました。
元気な男の子ですと助産師から言われ、妻も私も安堵しました。
「よく頑張ったね、無事に産まれてよかったね」と声をかけていると早々に、赤ちゃんの身体計測で母子が分かれます。
私は赤ちゃんと一緒に身体計測に立ち会い、妻は胎盤の処置や傷口の縫合などを行います。初めて赤ちゃんを抱いたとき、赤ちゃんはとても熱く生命を感じました。元気に暴れているのですが、とても小さく弱くすぐに壊れてしまうんだなと感じました。これから大切にしないといけないなと強く思いました。
計測と妻の処置が終わると、赤ちゃんを連れて妻と再会です。妻は再開したとたん号泣しました。これまでずっとおなかの中にいて、痛い思いをして産んだ赤ちゃんが元気な姿をみて安堵しています。
落ち着いたところで記念撮影をし、母子手帳に出生の記録記入や出生証明書をいただき終了となりました。
10:30 帰宅
妻と赤ちゃんは病棟へ移動します。私は帰宅することになりました。
これまで、緊張のせいであまり寝れていなかったのでこの日はよく寝れたことを覚えています。
以上が、私の実例紹介になります。今後出産を控える男性の皆様は参考にいただければと思います。
上にも書いていますが、あまり男性ができることは無いように思います。ただし、出産や陣痛に立ち会うこと自体が出産する女性の心の支えとなるようです。仕事の都合もありますが立ち会うことをお勧めします。
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